2008年3月20日木曜日

ジランちゃんの小学校のお友達・保護者への手紙

ジランちゃんのおともだちと保護者のみなさまへ

みなさんは、1年1組のジランちゃんのことを、知っていますか。大きな目と長いまつ毛がかわいい、明るい女の子ですよね。何よりも、学校でおともだちと勉強したり遊んだりするのが大好きで、「学校を1日もお休みしたくない!」と言うほど毎日楽しく学校へ通っています。

ジランちゃん一家のことは、新聞などの報道でご存知の方もいらっしゃるでしょう。ジランちゃんは、みなさんと同じく日本で生まれ育ちました。お父さんのタスクンさんの住んでいた所では、石油がたくさん採れて、私たち日本人は大変お世話になっています。けれども、今そこでは戦争が起きていて、たくさんの人々が殺したり殺されたりしています。ジランちゃんのお父さんは、平和の国日本に「助けてください。」とやってきたのです。ところが、日本の出入り口である入国管理局は、「だめだめ、日本には入れてあげないよ、自分の国へさっさと帰りなさい。」というのです。「自分の国では、殺し合いや暴力のために、安心して暮らせないのです。どうか日本にいさせてください。」と、何度もお願いしましたが、返事は変わりません。そして、「お父さんはトルコへ、お母さんとジランちゃんはフィリピンへ、バラバラに帰りなさい。」と命令したのです。

そこで、ジランちゃん一家と弁護士さんたちは、裁判所にお願いしました。昨年11月8日、裁判長は、「(ジランちゃん一家が日本にいられるための)いい方法を見つけられるように、弁護士さんと入国管理局とで、話し合いなさい。」と言ってくれました。12月9日、ジランちゃん一家と弁護士さんで、「ぜひ、いい方法を見つけられるよう、もう一度考えてみてください。」というお手紙を、入国管理局に渡しました。全国から、1万5千人もの署名(応援してくれている人たちの名前)が集まっていることも、伝えました。
ところが、今になってもまだ、入国管理局からの返事がないのです。入国管理局は、「私たちの上にいる、法務省が決めることです。」と言っています。

次の裁判は、4月10日です。それまでに、法務省が「ジランちゃんとお父さんお母さんは、一緒に日本にいていいですよ。」と言ってくれなかったら、ジランちゃんの家族はバラバラに日本から追い出されてしまうのです。みなさんと同じ日本の小学生のジランちゃんなのに。子どもには親が絶対に必要で、「お父さんやお母さんを子どもから引き離してはいけない。」という、国際的なきまり(子どもの権利条約)もあるのに。日本は、戦争の国から逃げてきた人たちを助け、その人たちを無理やり国へ送り返しません、と世界に約束(難民条約)しているのに。日本は、石油や食べ物や色々なことで外国に助けてもらっている国なのだから、私たちだって、外国から来た困っている人たちを、助けるのがあたりまえですよね。

~ジランちゃんのおともだちのみなさんへ~
今、ジランちゃんの小学校のおともだちだからこそ、できることがあります。ほうむしょうのだいひょうの”ほうむだいじん”に、みんなでおてがみを書くのです。むずかしいことはいりません。みんなのおともだち、ジランちゃんのことを考えて、「ジランちゃんといっしょにべんきょうしたい。あそびたい。」「ジランちゃんを、たすけてください。」などのメッセージや、「ジランちゃんとわたし・ぼく」などの絵を、色もつかって自由にかいてください。そして、あなたのお名前も。ジランちゃんのおともだちもおうえんしているよって、ほうむだいじんにつたえてください。お父さんお母さんからのメッセージも、書きこんでいただいてけっこうです。できあがりましたら、まとめて「ジランちゃんをおうえんするおともだちからの、おねがいのてがみ」として、ほうむだいじんにおわたしします。きっと、みなさんの小さなやさしさが、おともだちの大きなたすけとなるでしょう。どうか、ごきょうりょくよろしくおねがいいたします。

                    2008年2月 ジランちゃんと家族を支える会

0 件のコメント: