2007年10月6日土曜日

Global Friends

今日は、私の長年の友人たちが主催するユース・フォーラムの月例イベント「Global Friends」に参加してきました。ユース・フォーラムは、私が(社)国際IC日本協会(本部:スイス。個人のイニシアティブから紛争解決・平和構築をめざす様々な活動をしている国際NGO)での活動を通して出会った友人たちが立ち上げた若手グループです。メンバーおよび参加者たちは、それぞれに専門分野・スキルを備えた、優秀かつ行動派のみなさんで、文化的バックグラウンドもじつに多種多様です。いつも、英語をはじめ様々な言語が飛び交ったり、世界各地からのメインゲストが、貴重な生の声を聞かせてくれます。今日はそこで、メインゲストのスピーチの後で、私が、クルド難民について、日本の難民政策や入管の問題点について、ジランちゃん一家への支援活動について、など約1時間ほどかけてじっくりとプレゼンするチャンスをいただきました。うれしかったのは、みなさんから、今までに無いほど温かい反応をいただけたことです。それぞれの方が、署名集めや有力者へのコンタクト等、得意分野・出来る部分での協力を申し出てくださいました。とくに、メインゲストの日系ブラジル人、Aさんは、「このような貴重なお話を我々にシェアしてくださって、どうもありがとう。あなたがたは、本当にすばらしい活動をしている。紛争解決の研究・活動をしている友人らにも相談し、できるだけの事をして協力したい。連絡を取り合ってやっていきましょう。」と言ってくださいました。いつもそうなのですが、皆さんに話す前は、(よい反応ばかりとは限らないので)どんな反応が返ってくるか、とても緊張していましたが、結果的にこのような温かい反応をいただけると、「思い切って行動してみてよかった!これからも勇気を持ってがんばってみよう。」と本当に力づけられます。皆さん、どうもありがとうございます。そして、ジランちゃん一家支援をどうかよろしくお願いいたします!

2007年10月4日木曜日

エスカレーター

裁判所からの帰り道、地下鉄のエスカレーターに乗っているときに、タスクンさんが傷だらけの左手を見せながら、話してくれました。「これ、先月の入管出頭日の帰りにやっちゃって・・・。」

前回出頭日、通常通り1階の窓口で手続きのために順番を待っていると、突然3階の窓口までくるように呼ばれ、次回出頭日は予定より1ヶ月早い10月16日となったこと、次回はこれまでとちがって重要な話があるので、パスポートを必ず準備してくるように、等々のことを告げられたそうです。タスクンさんが、「何かにパスポートが必要なら、今日も持ってきていますが?」と言うと、「今日ではなく、次回必要なのだ」とだけ告げられ、理由も訊けずにそこでの話は終わってしまいました。3階に呼ばれ次回の”説明”を聞かされていたため、1階の窓口に急いで戻りましたが、受付終了時間ぎりぎりになってしまい、ものすごく焦ったそうです。決められた出頭日決められた時間内に手続きに来ないと、その時点で問答無用で収監されてしまうからです。そのように、いろいろな意味で身の縮むような思いをさせられた入管からの帰り道、タスクンさんの頭の中は「次回、一体何があるというのだろう?もしかして・・・」と不安でいっぱいに膨れ上がり、ぼーっとして、上り下りが逆のほうのエスカレーターに突っ込んでいってしまったのです。はっと気付いたときには、人がタスクンさんに向かってどんどん逆流してきて、タスクンさんは絡まって転倒。左手をあちこち怪我してしまいました。

聞いていて、私は本当につらくなりました。タスクンさんはいつも、こういう話を実にさらりと話し、すぐにまた冗談を言ったりして決して空気を重たくしないのです。「タスクンさんでも、そういう時があるんですね。」と言うと、「ありますよ、いつも一生懸命明るく振舞っているけど・・・本当は不安でいっぱいなんです。」とタスクンさん。入管での収容所生活を含む、日本での生活の中で受けてきた様々な精神的肉体的重圧のせいで、腰や脚など、体のあちこちに不調も抱えています。"非正規滞在者”タスクンさん、ベルトランさん、そしてジランちゃん。私には、彼らはとてもチャーミングで愛すべき隣人・友人にしか見えません。私たちと全く同じ、親子・家族への愛情を持った(むしろ、人間関係にドライな現代の日本人よりも、ずっと人懐っこくてあったかい)人たちだと感じます。早く、こんな不安と重圧から解放されて、彼らが心から笑える日が来ることを願ってやみません。私たちが、この国を、虐げられた人・助けを求めている人を大切にできる、そういう国にしていけますように・・・。

2007年10月3日水曜日

ジランちゃんの手紙♪

あおちゃんへ 

いつもありがとうね またあそぼうね

たくさんいっぱいあそぼうね いっぱいいっぱいたくさんあそぼうね

ずっとともだちだよ なかよしだよね

げーむかしてあげるね みんなともだち たくさんいるよ

おともだちじらんより じらんはあおちゃんすきたからね。

2007年10月2日火曜日

東京高裁控訴審第2回口頭弁論

今日10時より、東京高等裁判所822号法廷で、控訴審第2審口頭弁論が行われました。弁護団(弁護団長:大橋毅弁護士)は、「『退去強制』問題と国際人権条約」と題する意見書を裁判所に提出し、このケースを、他国での類似判例も踏まえ、子どもの権利という観点から、退去強制という入管の要請を十分に制約できるものであるという見解を示しました。裁判長から、あと1回のみ弁論の機会(11月8日(木)1:30~)を与える旨話があり、10分ほどで閉廷しました。30余名もの傍聴者たちが、裁判の行方をじっと見守りました。あの10分間、支援者たちの心は、しっかりとジランちゃん一家とともにありました。今日来られなかった人、また署名で応援してくれている人なども含め、多くの人がこれを友人の問題として、また私たち日本人一人ひとりに関わる問題として受け止め、「ジランちゃん一家を見捨てないよ!」「人間らしい判決を望んでいるよ!」という思いで一つになっていたと思います。裁判後の弁護団を囲んでのミーティングでは、今後おそらく12月末~1月頭頃と予測される判決日をめどに、署名運動、賛同団体との連携、マスコミへの広報、議員への協力要請、法務省への請願等々、様々な形での支援活動の展開について話し合いました。判決まであとたったの2ヶ月。でももしかしたら、2ヶ月あったら何かができるかもしれない。1人が動けば、その周りで必ず何かが変わります。それぞれの米一粒、どんな芽が出るか一緒に試してみませんか!

2007年10月1日月曜日

タスクンさんとの電話から

昨日阿蘇敏文代表が在籍する百人町教会にて「ジランちゃん一家を支援する会」の東京高裁第二審直前緊急ミーティングを行いました。

タスクンさん本人も同席する予定でしたが、「
クルドを知る会」のイベントに出席していたら会が盛り上って長引いたため出席できませんでしたと、夜電話がありました。

裁判や次回の出頭を間近に控え、さぞや緊張しているのではと思いきや、タスクンさんは相変わらず朗らかで落ち着いていました。国家権力による少数民族の弾圧や入管での収容所生活という、いわば生き地獄を潜り抜けてきた人には何か特別な強さが備わるものなのでしょうか。

会って直接様子をうかがうことはできませんでしたが、いまのタスクンさん家族の様子について、他の非正規滞在となっている人たちについて、またその背景にある彼らの窮状について話を聞くにつけ、相応の理由があって逃げ場を求めてこの国にやってきた人たちと共生していけるための枠組みを、私たちが急いで構築していかなければならないと強く感じました。


一方で、タスクンさんから聞いたいろんな支援者の方々の話、たとえば「
牛久入管収容所問題を考える会」代表の田中喜美子さんは、クルド人みんなからインターナショナルおかあさんと呼ばれて大変慕われているということを聞き、小さいながらもしっかりとした支援の根が日本という乾いた大地にも根付いてきているのだと知らされ、うれしい思いでした。

タスクンさんは、2004年に難民認定を求めて国連大学前で座り込みを行ったカザンキラン、ドーガン二家族とはトルコの同じ村出身だそうで、軍隊による焼き討ちに遭って、この二家族と同時期に日本へ逃げて来ました。この二家族の決死の訴えによって、多くの人が初めて今ここ日本での「難民」や「クルド」の深刻な事態を知ったのではないでしょうか。

タスクンさんも、「
日本の人たちは皆、いろんなことを知らなすぎる。まず、日本で難民がどんな扱いを受けているかということをもっと知ってほしい。」と話していました。私たちには、彼らの支援を通してこの国の現実をより深く知り、問題改善に向けて行動していく責任があるのではないかと思うのです。

2007年9月30日日曜日

新しいブログを立ち上げました!

年内中にも予想される控訴審判決に備え、私たちジランちゃんと家族を支える会(代表:阿蘇敏文)は新たに東京支部ブログを 立ち上げて、これからみなさんに情勢の最新情報をお知らせしていきたいと思います。

日本政府に難民認定を求めるクルド人のタスクンさんとフィリピン人のベルトランさん御夫妻、そして、日本生まれで今がかわいい盛りのジランちゃん一家の
これまでのいきさつ等は、支援当初から開設している本体ブログをご覧下さい。

このブログは10月2日(火)にも東京高裁第二審が結審するかもしれないという差し迫った状況で、
緊急に私たちがなすべきこと、考えなければならないことを、これを読んでくださるみなさんに投げかけていきたいと思っています。

特に、いま裁判のゆくえがどうなるかまったく予断を許さない状況の中、タスクンさんの東京入管への保釈延長の出頭が、何故か1ヶ月早められ10月16日(火)になりました。もし仮に再収監という事態になれば、前回の収容でボロボロになった身体がもうどうなってしまうか分かりませんし、なにより家族3人が引き離されてしまえばみな前回以上に精神的にズタズタにされてしまうのは間違いありません。

私たちは、まず一人でも多くの方々にこの家族のことを知っていただき、再収容が絶対行われないように家族バラバラに強制退去させられることがないように、そして安全なこの日本に家族3人安心して暮らすことが出来るよう在留特別許可を法務大臣が与えてくれるようにと、申請書を作成して広くみなさまに署名をお願いしてきました。今このブログを読んでくださっているお一人おひとりが、今度はそれをお手持ちのPCから打ち出して、周りの方々に広げていってはいただけないでしょうか。そして、どうか下記の宛先までご郵送いただければと思います。
(簡潔にこの家族のことをまとめたチラシもどうぞお配りください。)

        『ジランちゃんと家族を支える会』
(代表:阿蘇敏文)
               〒335-0002  
            
     埼玉県蕨(わらび)市 塚越5−51−22                       わらび荘101号  KAFINセンター内


[追記]
 10月2日(火)の控訴審、第2回口頭弁論は傍聴大歓迎です!!
      みんなでジランちゃん一家を傍聴席からサポートしましょう。
     予約は必要ありません。

  
1.日時  : 10月2日(火)午前10時から
2.場所  : 東京高等裁判所822号法廷
3.アクセス
 地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口を出てすぐ右側の東京地方裁判所         と同じ建物に入り、荷物検査後、エレベータで8階まで上が          り、822号法廷の傍聴席へお入りください。