2007年12月30日日曜日

フォト・アルバムvol.4






                 2007年11月24日 撮影

2007年12月22日土曜日

さいばん・どっち♪

あおちゃんとやよいちゃんはだいのなかよし。どれくらいなかよしかって・・・いつも、どんなにちいさなことでも、おかあさんにもいってないことでも、ふたりでおはなししています。だから、ふたりはおたがいのだいすきなものや、とってもたいせつなものが、ちゃんとわかるんです。そのひは、ようちえんのバスえんそくでした。かえりのバスのなかで、ほかのおともだちはつかれてぐっすりねむっているというのに、ふたりはならんでしんけんにおはなししています・・・。

やよい(おいのりのてで) 「ジランちゃんのさいばん、どうかかちますように。かちますように・・・。」
あお 「え、やよいちゃん、ジランちゃんのさいばんのこと、おうえんしてくれてるの?」
やよい 「うん、そうだよ。おかあさんいってたよ。きょう、さいばんなんでしょ。」
あお 「うん。わたしのおかあさん、おうえんにいったんだ。」
やよい 「わたしね、まだジランちゃんとおはなししたことないけど、ジランちゃんはあおちゃんのたいせつなおともだちでしょ。だからぜったいに、さいばんかつようにっておうえんしてるんだ。」
あお 「ありがとう。わたしも、ジランちゃんが、おとうさんとおかあさんといっしょに、ずっとにほんにいら れるようになってほしいんだ。」
やよい 「じゃあ、いっしょにかみさまにおいのりしよっか。」
あお 「うん、しよう!」
ふたり(おいのりのてで) 「ジランちゃんのさいばん、どうかかちますように。かちますように・・・!」
せんせい 「あおちゃんとやよいちゃん!もうみ~んな、つかれてねむってるのよ。もうすこししずかに  してくれる?」
ふたり 「は~い・・・。」
やよい 「しかたない、ねるか。」
あお 「うん、しかたない、ねるか。」

おしゃべりをやめるとまもなく、やよいちゃんのあたまがあおちゃんのあたまにごっつんこ。ふたりはあたまをくっつけたまま、なかよくねむりました。

そして・・・。

あお 「おかあさん、ただいま!」
おかあさん 「おかえり、あおちゃん。えんそく、たのしかった?」
あお 「うん、すっごく。ねえねえ、おかあさん、ジランちゃんのさいばん、かったの?まけたの?」
おかあさん 「え?さいばん、かった、まけた?・・・ああ、そうね。さいばんはね、あいこだったのよ。」
あお 「え?さいばんにもあいこ、あるの?」
おかあさん 「そうよ。おかあさんも、みんなもびっくりしたんだけどね、さいばんちょうが、『ジランちゃん たちがにほんにいられるように、いいほうほうをみつけられるように、よおくはなしあってみてごらん』っ ていったのよ。」
あお 「じゃあ、ジランちゃんまけなかったんだね。」
おかあさん 「そう。まけなかった。なかよくあいこだったのよ。」
あお 「よかったあ!あした、やよいちゃんにおしえてあげるんだ!」
おかあさん 「え?やよいちゃんに?おしえてあげるの?」
あお 「うん、そうだよ。だってね、やよいちゃんがね、きょうね、・・・。」

2007年12月20日木曜日

東京入管への上申書提出

 昨日の12月19日午後、弁護団は先の公判における寺田裁判長の「暫定的な解決策の可能性も含めて両者で話し合ったらどうか」という勧告に則り、品川の東京入国管理局に上申書を提出しました。内容は、一家ばらばらの国外退去命令を一刻も早く取り消して、在留特別許可を一家に与えるよう、改めて求めたものでした。ジランちゃん一家が地域社会に深くとけ込んでいること、15000筆あまりの署名支援をうけていること、命令発令時から現在までの状況に変化があること等が併せて盛り込まれました。
 曇り空で昼過ぎになっても気温が上がらず冷たい海風も吹く中を、予定の時刻よりずっと前から正面前で横断幕を掲げて支持を訴えるジランちゃん一家や支援者たちの周りには、既にマスコミ数社(NHK国際部、日テレ、TBS等)が詰め寄せていました。取材陣は、ジランちゃんの思いや表情を捉えようとずっとカメラを回し、マイクを向けてインタビューを試みていましたが、取り囲まれた異様な雰囲気の中、4年前突然に両親と引き離され心に深い傷を負ったこの場所で、ジランちゃんは文字通り凍りついたように顔も体もこわばらせていました。
 予定の午後1時30分、一家と弁護団ならびに支援者は取材陣を後に入館し、6階の申請所へと向かいましたが、ここで予想もしなかったことが待っていました。受付で大橋弁護士が担当の主席審査官への面会を求めると、なんと対応した女性職員から同氏が休みであること、さらに上申書提出の件については申し送りもないことを告げられたのです。事前にアポをとって来ているというのに、出直しさせられたのでは堪りません。更に大橋弁護士が説明をして、やっと確認してもらえることになったのですが、こんな書類提出というきわめて事務的なことさえスムーズに事が運ばないこと自体が、日本の入国管理行政の実態を象徴していると憤慨させられました。
 そんなわけでしばらく待合所に待たされることになった私たちでしたが、ガラスで囲まれた遊具コーナーで一人疲れきったように眠っている少女を眺めながら、ジランちゃんはぼそりと「私も前はここでよく遊んだんだ。」と教えてくれました。そのすぐそばの大きな窓からは、ビルとビルの間から寒々とした品川埠頭の人工的な景色が見え、それがまるでここで待つ子どもたちの心象風景にも思えてきて、とても切なくなりました。いたいけな子どもたちが、たとえどんな理由があろうとも決して放り出されることのない、人の温もりの中で安心して暮らしていける国を私たちは絶対に作っていかなければならないと、このとき改めて思いました。
 本省と連絡を取ったらしく、20分ほどして書類は受理され、やっとこの日の目的は達成されたのですが、なんとも言えない後味の悪さを覚えました。この巨大な「国」という壁に、私たちはいかに挑んでいけばいいのでしょうか。ここ数日ずっと報道されている薬害肝炎訴訟での被害者全面救済の要望に対する政府の冷たい対応は、私たちの相手がいかなる存在か如実に示しています。だからこそ、私たちはいま原点に返って、ジランちゃん一家の幸福と平和のために、手と手を携え声を合わせて訴え続けていきたいと思います。このクリスマスの季節、私たちの声がきっと天にも届くようにと祈りながら。
★TBSニュースで報道された現場の模様は、姉妹ブログ「ジランちゃんが家族と安心して日本で暮らせるように」にて、TBSサイトでご覧いただけます!

2007年11月24日土曜日

川口国際フェスティバル・南北コリアと日本のともだち展

今日も、ジランちゃん一家は盛りだくさんな一日を過ごしました。タスクンさんは、午前中は公園清掃のボランティア、ベルトランさんとジランちゃんは朝から上野での集会で通訳お手伝い後、ママは更に別件の仕事をこなした後、みんなで川口駅前広場での国際フェスティバルに参加しました。KAFINとして、フィリピン料理(ビーフンやご飯料理)や工芸品を売るお店の出店と、ステージでの伝統舞踊の披露をしました。ミンダナオ島に住む少数民族・モロ民族(イスラム教徒)による手工芸品のビーズアクセサリーなどもありました。踊りの時身につけるというネックレスやブレスレットは、小さな鈴がいくつもついていて、動くたびにかわいらしい音がしました。ベルトランさんたちのダンスは、大きな美しい織物・マローンを使ったダンスと、にぎやかで躍動的なバンブーダンス。ジランちゃんも、「あれ、ママだよ~!」と嬉しそうに指差し、はしゃいでいました。隣のブースに、クルド・トルコ・ギリシャなどの地域でポピュラーな肉料理・ケバブが売っていて、みんなで食べました。ジランちゃんの大好物で、お肉ぎっしりの大きなサンドをママの分まで奪って2つもぺろりとたいらげていました。大変おいしかったですが、タスクンさんは、「これは味付けミルク使ってるな。本当はヨーグルトなんだよな。僕のほうがおいしく作れるな。」などと言っていました。
フェスティバル終了後、今度は浦和でやっていた、南北コリアと日本のともだち展を見に行きました。JVC(日本ボランティアセンター)が中心となり、年一回の開催を10年ほど続けているものだそうです。北朝鮮・韓国・在日・日本のそれぞれの子どもたちが、「私の大切な~」のタイトルで描いた絵を、それぞれの国で交換し展示・紹介するというもの。「ともだち」「おかあさん」「とけい」等のタイトルがあり、色使いなど少しずつ違ったりするのがとても新鮮で、それでいて、「たいせつなものって、なんだか同じだね」と、ほっとして嬉しくなるような・・・。すばらしい絵画展でした。朝鮮古楽器を使った、「アリラン」「リムジンガン」の合奏も聴けて、しみじみとしました。この子どもたちが創っていく未来に、たしかに希望が持てる気がしました。ジランちゃんは、太鼓の「ぷく」や「ちん」が気に入り、ドン、コン、チーン!と叩いて遊んで、その素朴な音色を楽しんでいました。

2007年11月17日土曜日

アムネスティ・インターナショナル・ジャパン

今日は、クルド人2家族を支援する会にご紹介いただいたYさんにご連絡いただき、アムネスティ・インターナショナル・ジャパン(→リンク集)の難民チームの例会に参加し、これまでの経緯・今後の支援方針の説明と、署名協力のお願いをしてきました。ちょうど、山村淳平医師が講師として在日難民認定申請者の現状等お話されていて、先日放映され物議を醸したNHKスペシャル、トルコ・イラク国境地帯のクルド人についての番組の録画を見たりしていました。12~3人くらい集まっていて、そのうち半分くらいの方たちが、すでにタスクンさんたちのことを知っていたり、会ったことがあったり、署名ももうしている、ということでした。その方たちも含め、12月上旬頃までに集中的にできるだけ多数の署名を集め、法務省等への直訴訪問時の資料にしたい旨強調し、更なるご協力をお願いしておきました。山村先生は、11月8日の裁判長が話し合いによる「和解」を勧めるという控訴審の結果について、「本当に珍しいことですね。よかったね。でも、行政側はどう出るかまだわかんないね。」と、おっしゃってました。ムスタファさん一家の支援にも関わっているコーディネーターのIさんも、「タスクンさんは(色々なご経験をされてるのに)いつも明るい方ですよね・・・。でも、3月にお会いしたときには、少し元気をなくされているようだったので、心配していました。裁判で少し期待がもてる方向になって、これでどうにか、うまくいってくれればいいのに・・・。」とのことでした。アムネスティ難民チームでは、来週11月24日(土)に、イラン国籍難民申請者についてのセミナーがあり、一応そこでもIさんから説明と署名のお願いをしていただけることになりましたが、支援者のほうからも、できれば参加し直接お話したほうがよさそうです。どなたか参加できそうでしたら、是非よろしくお願いします!

2007年11月8日木曜日

東京高裁控訴審第3回口頭弁論

本日13:30より、東京高等裁判所822号法廷にて、控訴審第3回口頭弁論が行われました。弁護団は、前回提出の法学者による国際人権条約の見地からの研究書をふまえ、弁護団としての意見書に、現在のトルコ南東部の危険性を示す報道記事を添付したものを提出していました。とはいえ弁護側も、これまでの経験から結審を予測していたところ、裁判長(民事第2部寺田裁判長、法務省出身)が、1回の控訴審で終わるのが普通の行政裁判において異例の、第4回口頭弁論の日時(2月5日(火)13:30)を定め、それまでに「控訴人は抜本的な措置を求めているのでしょうが、暫定的な解決策の可能性も含めて、被控訴人と話し合ってはどうか」と指示するという、異例中の異例であり、かつ期待の持てる結果となりました。弁護団長大橋毅氏によると、「正直、驚いた。今まで全く経験のない展開。それほどこの問題を、裁判官が慎重に審議してくれているのがわかる。その理由として、現在トルコ南東部での対クルド情勢が緊迫していることと、国際人権条約にかんがみ(ジランちゃんの権利等?)このケースの特殊性とを、考慮してくれている可能性が考えられる。」とのこと。この結果をうけ、裁判後弁護士会館にて、タスクンさんベルトランさんを囲み、弁護団と支える会とで今後の支援方針の相談。(1)12月頭めどに、いったん署名を集計しコピーをとり、提出準備する。(2)国会会期中(12月半ば)に、法務委員会の国会議員に取り上げてもらうよう、要請訪問する。(3)法務大臣に面会要請書を提出する。(4)2月5日多数の傍聴支援者を募る。の4つの具体的支援行動を展開していくことになりました。この会議中に、濱野弁護士が記者クラブに電話し、15:30より記者会見を開くことに。会見では、大橋弁護士、濱野弁護士が、今日の裁判の結果の説明を、タスクンさん、ベルトランさんが、トルコ情勢と家族一緒に日本で暮らしたい思いを、阿蘇代表が、市民の関心の高まりと署名協力活動について、話しました。特に、東京新聞と日テレが興味を持って詳しく取材していました。尚、12月9日(日)13:30より、百人町教会にて、大橋弁護士と一緒に作戦会議です。みなさん奮ってご参加ください!

2007年11月7日水曜日

フォト・アルバムvol.3


夕暮れの公園で元気いっぱい遊ぶジランちゃん♪。2007年11月3日撮影。

11・8東京高裁控訴審第3回口頭弁論おしらせ

明日11月8日(木)13時30分より、霞ヶ関、東京高等裁判所第822号法廷(前回と同じ場所)にて、ジランちゃん一家裁判の最終弁論が行われます。一人でも多くの方の、傍聴支援をどうぞよろしくお願いいたします!

2007年11月3日土曜日

立教大学祭とGlobal Friends

今日のジランちゃん一家は、朝から夜まで東京をまたいで縦断往復しながら、忙しく過ごしました。午前から午後にかけて新座の立教大学祭の特設ブースにて、国際協力ボランティアの学生たちと一緒に、何百人もの人々と会って話をし、署名集めをしました。その後今度は川崎まで移動し、夕方から夜にかけてはNGOユース・フォーラムの会合にて、メンバーの皆さん向けに2時間あまりのプレゼンテーションを行いました。色々な所へ行ってたくさんの人に会い、思い出すのもつらい体験の数々も含めて、同じような話をし、質問もうけるのですから、心身ともにさぞ疲れるだろうなと、少し心配になります。タスクンさんもベルトランさんもいつも素敵な笑顔ですが、実は二人とも体の不調を抱えながらがんばっているようです。とくにタスクンさんは、最近気温が下がり雨も降ったりしたのでヘルニアが悪化し、脚の痛みが深刻そうです。そして、まだ幼いジランちゃんからは、そんな両親の一生懸命な様子を見て、自分なりにだんだんに何かを感じ取って、協力しようとしているかのような、健気な姿が見受けられます。そんな3人を見つめながら、何も悪いことをしていない人たちが、人間としてごく当たり前のこと:大切な家族と一緒に安心して平和に暮らすことが、当たり前にできる社会にしてゆけるように、できるだけのことをしようとあらためて強く思いました。「家に閉じこもっていたりすると、将来のことなどとても不安で暗い気持ちになってしまうけれど、こうして色々な所に呼んでいただいて、たくさんの人と会って話すと、元気が出て前向きになれるので、皆さんに大変感謝しています。」というベルトランさんの言葉に、こちらの方が大きな元気をもらえた気がしました。

2007年11月2日金曜日

ラジオ番組「東京ラブレター」

10月15日に、東京神保町のOur Planet-TVにて収録、26日には神戸のFMわいわいより放送された、ラジオ番組「東京ラブレター」が、ウェブ上にアップされました。タスクンさんと阿蘇敏文代表が出演し、トルコにおけるクルド問題、日本における難民申請制度や入国管理局の現状、そしてジランちゃん一家の支援活動の経緯・今後の予定などについて、お話ししています。初めての方も、よく知っている方も、是非、タスクンさんの想い・願いがこもった貴重な生の声を、お聴きください。どうか、たくさんの皆さんに聴いていただき、そしてまた、そのまわりのたくさんの方々にご紹介し広めていっていただければ、幸いです。(上の"ラジオ番組「東京ラブレター」”の部分からOur Planet-TVのラジオ番組サイトに入り、お聴きいただけます!)

2007年10月21日日曜日

バザー訪問~ユース・フォーラム

13日、ジランちゃん一家はキリスト教会付属の幼稚園バザーを訪れました。教会の牧師の先生、教会学校の先生、幼稚園の先生・保護者他、たくさんの方々が、一家の幸せを祈りながら支援してくださっています。その方たちに、一家をご紹介し、直接に言葉を交わしてもらいました。またジランちゃんは、子どもたちと一緒に園庭で元気に遊んでいました。何よりもこんなふうに、人と人として直接出会い交わるということが、最も重要だなと強く実感しました。
バザーの後に今度は、「ユース・フォーラム」代表・Oさんに一家をご紹介しました。ユース・フォーラムは、行動派の学生・若手社会人中心の平和・国際協力NGOです。これまでにも、日本や世界各地の様々な問題の情報を共有し、支援協力に役立てる活動をしてきました。11月3日(土)の月例会合"Global Friends"に、ジランちゃん一家がゲスト・スピーカーとして招かれることに決まったため、その打ち合わせ、および今後の具体的な支援方法について、話し合いました。11月3日、ご興味のある方は是非ご参加ください!

2007年10月15日月曜日

フォト・アルバムvol.2



Our Planet-TVにて、ラジオ番組「東京ラブレター」収録後に。

2007年10月11日木曜日

ラジオ出演決定!

市民派インターネット・ニュース配信を行っているOur Planet-TVのラジオ番組に、タスクンさんと阿蘇敏文代表が出演することになりました。Our Planet-TVは、平和・人権・環境・教育など、今最も重要な社会問題・国際問題の解決のために活動するNPO/NGOなどにスポットを当て、広報面でのサポートをしてくれています。視聴率重視の既存のマスメディアが見落としがちな「市民の視点」を大切に、その社会貢献活動を支える番組制作をしています。来週頭に収録、26日(金)放送後、Web上でも配信の予定です。因みに、放送局・FMわいわいの設立理念は「マイノリティの情報受発信の支援」だそうです。いいですね~。詳細は収録後追ってお知らせします。どうぞお楽しみに!

2007年10月9日火曜日

フォト・アルバムvol.1


          10月2日(火)裁判直後、東京高裁前にて。

2007年10月7日日曜日

アムネスティと難キ連

先日はアムネスティ・インターナショナル・ジャパンのYさんから、今日は難民・移住労働者問題キリスト教連絡会のSさんから、ジランちゃん一家支援にご協力いただける旨、ご連絡をいただきました。アムネスティの国際的視点や専門性によるバックアップ、難キ連のカザンキラン・ドーガン2家族含む難民申請者支援の実績、いずれも今後の我々の支援活動にとって、大変心強い味方です。連携・協力を図りながら、支援の輪を更に大きく広げていきたいと思います。

2007年10月6日土曜日

Global Friends

今日は、私の長年の友人たちが主催するユース・フォーラムの月例イベント「Global Friends」に参加してきました。ユース・フォーラムは、私が(社)国際IC日本協会(本部:スイス。個人のイニシアティブから紛争解決・平和構築をめざす様々な活動をしている国際NGO)での活動を通して出会った友人たちが立ち上げた若手グループです。メンバーおよび参加者たちは、それぞれに専門分野・スキルを備えた、優秀かつ行動派のみなさんで、文化的バックグラウンドもじつに多種多様です。いつも、英語をはじめ様々な言語が飛び交ったり、世界各地からのメインゲストが、貴重な生の声を聞かせてくれます。今日はそこで、メインゲストのスピーチの後で、私が、クルド難民について、日本の難民政策や入管の問題点について、ジランちゃん一家への支援活動について、など約1時間ほどかけてじっくりとプレゼンするチャンスをいただきました。うれしかったのは、みなさんから、今までに無いほど温かい反応をいただけたことです。それぞれの方が、署名集めや有力者へのコンタクト等、得意分野・出来る部分での協力を申し出てくださいました。とくに、メインゲストの日系ブラジル人、Aさんは、「このような貴重なお話を我々にシェアしてくださって、どうもありがとう。あなたがたは、本当にすばらしい活動をしている。紛争解決の研究・活動をしている友人らにも相談し、できるだけの事をして協力したい。連絡を取り合ってやっていきましょう。」と言ってくださいました。いつもそうなのですが、皆さんに話す前は、(よい反応ばかりとは限らないので)どんな反応が返ってくるか、とても緊張していましたが、結果的にこのような温かい反応をいただけると、「思い切って行動してみてよかった!これからも勇気を持ってがんばってみよう。」と本当に力づけられます。皆さん、どうもありがとうございます。そして、ジランちゃん一家支援をどうかよろしくお願いいたします!

2007年10月4日木曜日

エスカレーター

裁判所からの帰り道、地下鉄のエスカレーターに乗っているときに、タスクンさんが傷だらけの左手を見せながら、話してくれました。「これ、先月の入管出頭日の帰りにやっちゃって・・・。」

前回出頭日、通常通り1階の窓口で手続きのために順番を待っていると、突然3階の窓口までくるように呼ばれ、次回出頭日は予定より1ヶ月早い10月16日となったこと、次回はこれまでとちがって重要な話があるので、パスポートを必ず準備してくるように、等々のことを告げられたそうです。タスクンさんが、「何かにパスポートが必要なら、今日も持ってきていますが?」と言うと、「今日ではなく、次回必要なのだ」とだけ告げられ、理由も訊けずにそこでの話は終わってしまいました。3階に呼ばれ次回の”説明”を聞かされていたため、1階の窓口に急いで戻りましたが、受付終了時間ぎりぎりになってしまい、ものすごく焦ったそうです。決められた出頭日決められた時間内に手続きに来ないと、その時点で問答無用で収監されてしまうからです。そのように、いろいろな意味で身の縮むような思いをさせられた入管からの帰り道、タスクンさんの頭の中は「次回、一体何があるというのだろう?もしかして・・・」と不安でいっぱいに膨れ上がり、ぼーっとして、上り下りが逆のほうのエスカレーターに突っ込んでいってしまったのです。はっと気付いたときには、人がタスクンさんに向かってどんどん逆流してきて、タスクンさんは絡まって転倒。左手をあちこち怪我してしまいました。

聞いていて、私は本当につらくなりました。タスクンさんはいつも、こういう話を実にさらりと話し、すぐにまた冗談を言ったりして決して空気を重たくしないのです。「タスクンさんでも、そういう時があるんですね。」と言うと、「ありますよ、いつも一生懸命明るく振舞っているけど・・・本当は不安でいっぱいなんです。」とタスクンさん。入管での収容所生活を含む、日本での生活の中で受けてきた様々な精神的肉体的重圧のせいで、腰や脚など、体のあちこちに不調も抱えています。"非正規滞在者”タスクンさん、ベルトランさん、そしてジランちゃん。私には、彼らはとてもチャーミングで愛すべき隣人・友人にしか見えません。私たちと全く同じ、親子・家族への愛情を持った(むしろ、人間関係にドライな現代の日本人よりも、ずっと人懐っこくてあったかい)人たちだと感じます。早く、こんな不安と重圧から解放されて、彼らが心から笑える日が来ることを願ってやみません。私たちが、この国を、虐げられた人・助けを求めている人を大切にできる、そういう国にしていけますように・・・。

2007年10月3日水曜日

ジランちゃんの手紙♪

あおちゃんへ 

いつもありがとうね またあそぼうね

たくさんいっぱいあそぼうね いっぱいいっぱいたくさんあそぼうね

ずっとともだちだよ なかよしだよね

げーむかしてあげるね みんなともだち たくさんいるよ

おともだちじらんより じらんはあおちゃんすきたからね。

2007年10月2日火曜日

東京高裁控訴審第2回口頭弁論

今日10時より、東京高等裁判所822号法廷で、控訴審第2審口頭弁論が行われました。弁護団(弁護団長:大橋毅弁護士)は、「『退去強制』問題と国際人権条約」と題する意見書を裁判所に提出し、このケースを、他国での類似判例も踏まえ、子どもの権利という観点から、退去強制という入管の要請を十分に制約できるものであるという見解を示しました。裁判長から、あと1回のみ弁論の機会(11月8日(木)1:30~)を与える旨話があり、10分ほどで閉廷しました。30余名もの傍聴者たちが、裁判の行方をじっと見守りました。あの10分間、支援者たちの心は、しっかりとジランちゃん一家とともにありました。今日来られなかった人、また署名で応援してくれている人なども含め、多くの人がこれを友人の問題として、また私たち日本人一人ひとりに関わる問題として受け止め、「ジランちゃん一家を見捨てないよ!」「人間らしい判決を望んでいるよ!」という思いで一つになっていたと思います。裁判後の弁護団を囲んでのミーティングでは、今後おそらく12月末~1月頭頃と予測される判決日をめどに、署名運動、賛同団体との連携、マスコミへの広報、議員への協力要請、法務省への請願等々、様々な形での支援活動の展開について話し合いました。判決まであとたったの2ヶ月。でももしかしたら、2ヶ月あったら何かができるかもしれない。1人が動けば、その周りで必ず何かが変わります。それぞれの米一粒、どんな芽が出るか一緒に試してみませんか!

2007年10月1日月曜日

タスクンさんとの電話から

昨日阿蘇敏文代表が在籍する百人町教会にて「ジランちゃん一家を支援する会」の東京高裁第二審直前緊急ミーティングを行いました。

タスクンさん本人も同席する予定でしたが、「
クルドを知る会」のイベントに出席していたら会が盛り上って長引いたため出席できませんでしたと、夜電話がありました。

裁判や次回の出頭を間近に控え、さぞや緊張しているのではと思いきや、タスクンさんは相変わらず朗らかで落ち着いていました。国家権力による少数民族の弾圧や入管での収容所生活という、いわば生き地獄を潜り抜けてきた人には何か特別な強さが備わるものなのでしょうか。

会って直接様子をうかがうことはできませんでしたが、いまのタスクンさん家族の様子について、他の非正規滞在となっている人たちについて、またその背景にある彼らの窮状について話を聞くにつけ、相応の理由があって逃げ場を求めてこの国にやってきた人たちと共生していけるための枠組みを、私たちが急いで構築していかなければならないと強く感じました。


一方で、タスクンさんから聞いたいろんな支援者の方々の話、たとえば「
牛久入管収容所問題を考える会」代表の田中喜美子さんは、クルド人みんなからインターナショナルおかあさんと呼ばれて大変慕われているということを聞き、小さいながらもしっかりとした支援の根が日本という乾いた大地にも根付いてきているのだと知らされ、うれしい思いでした。

タスクンさんは、2004年に難民認定を求めて国連大学前で座り込みを行ったカザンキラン、ドーガン二家族とはトルコの同じ村出身だそうで、軍隊による焼き討ちに遭って、この二家族と同時期に日本へ逃げて来ました。この二家族の決死の訴えによって、多くの人が初めて今ここ日本での「難民」や「クルド」の深刻な事態を知ったのではないでしょうか。

タスクンさんも、「
日本の人たちは皆、いろんなことを知らなすぎる。まず、日本で難民がどんな扱いを受けているかということをもっと知ってほしい。」と話していました。私たちには、彼らの支援を通してこの国の現実をより深く知り、問題改善に向けて行動していく責任があるのではないかと思うのです。

2007年9月30日日曜日

新しいブログを立ち上げました!

年内中にも予想される控訴審判決に備え、私たちジランちゃんと家族を支える会(代表:阿蘇敏文)は新たに東京支部ブログを 立ち上げて、これからみなさんに情勢の最新情報をお知らせしていきたいと思います。

日本政府に難民認定を求めるクルド人のタスクンさんとフィリピン人のベルトランさん御夫妻、そして、日本生まれで今がかわいい盛りのジランちゃん一家の
これまでのいきさつ等は、支援当初から開設している本体ブログをご覧下さい。

このブログは10月2日(火)にも東京高裁第二審が結審するかもしれないという差し迫った状況で、
緊急に私たちがなすべきこと、考えなければならないことを、これを読んでくださるみなさんに投げかけていきたいと思っています。

特に、いま裁判のゆくえがどうなるかまったく予断を許さない状況の中、タスクンさんの東京入管への保釈延長の出頭が、何故か1ヶ月早められ10月16日(火)になりました。もし仮に再収監という事態になれば、前回の収容でボロボロになった身体がもうどうなってしまうか分かりませんし、なにより家族3人が引き離されてしまえばみな前回以上に精神的にズタズタにされてしまうのは間違いありません。

私たちは、まず一人でも多くの方々にこの家族のことを知っていただき、再収容が絶対行われないように家族バラバラに強制退去させられることがないように、そして安全なこの日本に家族3人安心して暮らすことが出来るよう在留特別許可を法務大臣が与えてくれるようにと、申請書を作成して広くみなさまに署名をお願いしてきました。今このブログを読んでくださっているお一人おひとりが、今度はそれをお手持ちのPCから打ち出して、周りの方々に広げていってはいただけないでしょうか。そして、どうか下記の宛先までご郵送いただければと思います。
(簡潔にこの家族のことをまとめたチラシもどうぞお配りください。)

        『ジランちゃんと家族を支える会』
(代表:阿蘇敏文)
               〒335-0002  
            
     埼玉県蕨(わらび)市 塚越5−51−22                       わらび荘101号  KAFINセンター内


[追記]
 10月2日(火)の控訴審、第2回口頭弁論は傍聴大歓迎です!!
      みんなでジランちゃん一家を傍聴席からサポートしましょう。
     予約は必要ありません。

  
1.日時  : 10月2日(火)午前10時から
2.場所  : 東京高等裁判所822号法廷
3.アクセス
 地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口を出てすぐ右側の東京地方裁判所         と同じ建物に入り、荷物検査後、エレベータで8階まで上が          り、822号法廷の傍聴席へお入りください。