本日13時30分、東京入国管理局3階・難民調査部門にて、ジランちゃん一家および濱野弁護士、阿蘇代表で、署名と絵手紙の提出をしました。署名は、本日提出分が約1万3千人分で、前回提出分が約7千人分、さらに支援会内でコピー等の提出準備処理中のものも合わせると、合計で約2万3千人ほどの署名が集まっているとのこと。阿蘇代表が担当の審査官に、この問題が人道的に解決されることを、これほど多くの国民が願っていること等を懸命に訴えました。ベルトランさんによると、職員は大変真剣に話を聴いてくれ、涙ぐむ様子すら見せたそうです。タスクンさんも、こちらの話をとても真面目に聴いてくれたし、笑顔もあり感じの良い対応であった、と言っています。また署名とは別に、ジランちゃんの小学校の子どもたちからの、法務大臣宛の絵手紙も30枚ほど手渡しました。ジランちゃのクラスメートや同学年の子どもたちは、素直な感性で、ジランちゃんの立場・気持ちを思い、/ジランちゃんをたすけてください/ジランちゃんのことがだいすき、まもっていてあげる/93人の1年生全員で93人の2年生になりたい、ジランちゃんは大切な一人/おとうさんとおかあさんとバラバラになるのは、とてもさびしいこと・・・等など、同じ目線から訴えかけるすばらしい絵手紙を書いてくれました。この子どもたちの、純粋にジランちゃんの幸せを願う気持ちが、春の日差しのように、大人たちの氷の心もとかしてくれますように・・・。
ジランちゃん一家に対し、入国管理局から出頭命令が出されました。これに従い、本日3月21日13時30分、一家は東京入国管理局(品川駅よりバス)へ出頭します。支援者は、13時15分に現地集合し、一家を応援します。応援してくださる方、関心のある方、一人でも多くの方の同行をお願いいたします!
ジランちゃんのおともだちと保護者のみなさまへみなさんは、1年1組のジランちゃんのことを、知っていますか。大きな目と長いまつ毛がかわいい、明るい女の子ですよね。何よりも、学校でおともだちと勉強したり遊んだりするのが大好きで、「学校を1日もお休みしたくない!」と言うほど毎日楽しく学校へ通っています。ジランちゃん一家のことは、新聞などの報道でご存知の方もいらっしゃるでしょう。ジランちゃんは、みなさんと同じく日本で生まれ育ちました。お父さんのタスクンさんの住んでいた所では、石油がたくさん採れて、私たち日本人は大変お世話になっています。けれども、今そこでは戦争が起きていて、たくさんの人々が殺したり殺されたりしています。ジランちゃんのお父さんは、平和の国日本に「助けてください。」とやってきたのです。ところが、日本の出入り口である入国管理局は、「だめだめ、日本には入れてあげないよ、自分の国へさっさと帰りなさい。」というのです。「自分の国では、殺し合いや暴力のために、安心して暮らせないのです。どうか日本にいさせてください。」と、何度もお願いしましたが、返事は変わりません。そして、「お父さんはトルコへ、お母さんとジランちゃんはフィリピンへ、バラバラに帰りなさい。」と命令したのです。そこで、ジランちゃん一家と弁護士さんたちは、裁判所にお願いしました。昨年11月8日、裁判長は、「(ジランちゃん一家が日本にいられるための)いい方法を見つけられるように、弁護士さんと入国管理局とで、話し合いなさい。」と言ってくれました。12月9日、ジランちゃん一家と弁護士さんで、「ぜひ、いい方法を見つけられるよう、もう一度考えてみてください。」というお手紙を、入国管理局に渡しました。全国から、1万5千人もの署名(応援してくれている人たちの名前)が集まっていることも、伝えました。ところが、今になってもまだ、入国管理局からの返事がないのです。入国管理局は、「私たちの上にいる、法務省が決めることです。」と言っています。次の裁判は、4月10日です。それまでに、法務省が「ジランちゃんとお父さんお母さんは、一緒に日本にいていいですよ。」と言ってくれなかったら、ジランちゃんの家族はバラバラに日本から追い出されてしまうのです。みなさんと同じ日本の小学生のジランちゃんなのに。子どもには親が絶対に必要で、「お父さんやお母さんを子どもから引き離してはいけない。」という、国際的なきまり(子どもの権利条約)もあるのに。日本は、戦争の国から逃げてきた人たちを助け、その人たちを無理やり国へ送り返しません、と世界に約束(難民条約)しているのに。日本は、石油や食べ物や色々なことで外国に助けてもらっている国なのだから、私たちだって、外国から来た困っている人たちを、助けるのがあたりまえですよね。~ジランちゃんのおともだちのみなさんへ~今、ジランちゃんの小学校のおともだちだからこそ、できることがあります。ほうむしょうのだいひょうの”ほうむだいじん”に、みんなでおてがみを書くのです。むずかしいことはいりません。みんなのおともだち、ジランちゃんのことを考えて、「ジランちゃんといっしょにべんきょうしたい。あそびたい。」「ジランちゃんを、たすけてください。」などのメッセージや、「ジランちゃんとわたし・ぼく」などの絵を、色もつかって自由にかいてください。そして、あなたのお名前も。ジランちゃんのおともだちもおうえんしているよって、ほうむだいじんにつたえてください。お父さんお母さんからのメッセージも、書きこんでいただいてけっこうです。できあがりましたら、まとめて「ジランちゃんをおうえんするおともだちからの、おねがいのてがみ」として、ほうむだいじんにおわたしします。きっと、みなさんの小さなやさしさが、おともだちの大きなたすけとなるでしょう。どうか、ごきょうりょくよろしくおねがいいたします。 2008年2月 ジランちゃんと家族を支える会
12月9日提出の上申書に対し、法務省・入管からの返事がないまま、2月5日の弁論予定日は延期され、2月14日の仮放免更新も前回までと変わらず淡々と終わってしまいました。これをうけた2月17日の支援者会議で、今われわれにできることは何か?を話し合った結果、すでにあらゆる手段・方面に訴えてきたが、残るはジランちゃんの小学校の先生および友達・保護者への支援の依頼である、との結論に達しました。ベルトランさんによると、以前担任や校長先生に支援への協力をお願いしたことがあったが、あまり前向きな返事が得られなかったため、「学校関係の人たちにお願いするのは難しい」とあきらめていたとのこと。それでももう一度、学校でのジランちゃんをよく知る人たちに、彼女の置かれている状況を説明し、所属する学校や地域の支援の重要さを訴え、頼みの綱であることを分かってもらおうということになりました。
その後、ベルトランさんから紹介された、「一番仲良しのお母さん」Kさんと、何度か打ち合わせを重ねました。Kさんは、お子さんがジランちゃんと幼稚園の頃からのお友達で、親しいだけでなく、ジランちゃん一家の置かれている状況を大変よく理解し、深く共感してくださいました。そして、校長・担任および有力な役員のお母さん達に相談し、学校で支援活動できるようお願いすると言ってくださいました。数日後、Kさんからご報告があり、先生方は、「学校として支援協力するのは難しい」との立場を変えられないとのことでしたが、お母さん方は概ね協力的で、「ジランちゃんのために私たちにできるかぎりのことをやりましょう!」と動き出してくれたそうです。とはいえ、学校内での活動は許可がえられなかったため、3月5日放課後のPTA総会に出席のため来校する保護者たちに、校門前で封筒に入れたリーフレット・請願書・新聞記事・子ども用「ほうむだいじんへのてがみ」用紙・保護者宛同左依頼書を、配布する、という方法をとりました。この「ほうむだいじんへのてがみ」用紙は、ジランちゃん大好きの娘(6歳)が作成したものに、保護者への説明・依頼書を添付し、Kさんへ送付しました。Kさんの強いご希望で、書類は全て100部ずつコピーしてくださり、封筒もご提供くださいました。
多大なご尽力への感謝を伝えた私に、Kさんが言ってくださった言葉です:
「私たちは、ジランちゃんを助けようとしてはいるのだけれど、本当はそのことで、私たちのほうがとても大切なものを与えてもらっている気がします。」
Kさんは相当すごい人だ!と感心したのと同時に、こんなすごい”ママ友”をもつジランちゃんママのすごさに頭が下がりました・・・。