2008年3月27日木曜日

勝利!~在留特別許可取得~(その3)

~ジランちゃん一家の在留特別許可取得についての、新聞各社等の記事をご紹介します~

 毎日新聞   ★産経新聞    
 ☆アジア女性資料センター   ★読売新聞(埼玉版)

勝利!~在留特別許可取得~(その2)

25日16時30分頃、ジランちゃん一家と弁護団は、東京高等裁判所の第2民事部に寺田逸郎裁判長を訪れ、在留特別許可取得の報告と、訴訟の取り下げ書の提出を行いました。寺田裁判長も喜んで、「事件を公平に見た結果です。」とのコメントがあったそうです。本当に、裁判長の判断が、このような結果をもたらすために大変に重い役割を果たしました。また、裁判長は、退席する際みんなの椅子をきちんと片付けたジランちゃんに感心し、「えらいね」と褒めていたということです。ジランちゃんによると、「だって私、クラスでも整頓係だから!」

17時からは、司法記者クラブにて、一家と弁護団へのマスコミによる記者会見が行われました。濱野弁護士より、在留特別許可について、1年ごとに更新でき永住権の取得にもつながるものであることや、生きていくために最も重要な国民健康保険への加入や、就労の権利が与えられることなどの説明がありました。また、さまざまな事情で祖国を離れざるをえず、来日し在留中のクルド人難民申請者が大勢いる中、わずか4人目の在留特別許可であり、家族がいるケースとしては初めてという、極めて異例の取得であったことも伝えられました。他の国籍保持者では、子どもがいる場合、人道的配慮から与えられるケースも年々増えてきてはいたが、学齢が小学生以下のケースはやはり非常に珍しいとのこと。色々な意味で、日本の難民政策史上、革新的な出来事だったのではないでしょうか。

タスクンさんは、「これをきっかけに、他の大勢のクルド人や在日難民申請者たちの存在に目を向けていってほしい」。ベルトランさんは、「これからは、家族3人一緒に安心して暮らしていけるということが、何より嬉しい。ジランの学校の子どもたちはじめ、たくさんの人たちの支援のお陰でえられた結果だと思う。感謝したい」。ジランちゃんは、「(日本で)勉強できることが、いちばん嬉しい」。

ジランちゃん、ベルトランさん、タスクンさんの想いを大切に受け止め、戦争の恐怖、迫害の痛み、貧困の苦しみなどを抱えて来日する人々を迎え入れ、手を取り合って、支え合って、暮らしてゆける未来の日本社会へと希望を繋いでゆきたいと思います。

2008年3月25日火曜日

勝利!~在留特別許可取得~

今日15時30分頃、東京入国管理局2階審判部門にて、ジランちゃん一家は在留特別許可(定住者1年)を受け取りました。在留特別許可とは、個別的事情等に配慮し、法務大臣の裁量により与えられる資格(いわゆるビザ)のこと。鳩山法務大臣は、今朝閣議後の定例記者会見にて、裁判長の和解提案を受け「人道的配慮から」、ジランちゃん一家がバラバラに国外退去とならないよう在留特別許可を出す、と発表。タスクンさんと弁護士には、昼頃東京入国管理局より、15時に受け取りのため出頭するよう連絡が入り、阿蘇代表と支援者数名も同行しました。審判部門の室内へは、一家3人と濱野・松田弁護士が入室し、20分以上の書類作成作業を経て、無事3人が、それぞれの写真が添付された許可証を1枚ずつ取得し出てきました。

ジランちゃんにとっては、突然両親を連れ去られた怖い辛い思い出の場所の入管でしたが、濱野弁護士によると、許可証を受け取った瞬間、初めて笑顔を見せたということです。4年という長い歳月を、前例から考えると勝てる見込みの極めて薄い裁判であったにもかかわらず、人権を大事にする判決を求めて、ともに闘ってきた弁護士の一人である濱野先生も、その瞬間心からほっとしたそうです。一家と弁護団は15時45分頃から入管前で記者団からのインタビュー。タスクンさん「今日ももしかしたらだめかもと思っていたが、受け取れてやっと安心した」、ベルトランさん「夢みたい、日本の一市民として、より良い社会のために貢献したい」、ジランちゃん「すごくうれしい」。

2008年3月22日土曜日

フォト・アルバムvol.7~ほうむだいじんさま♪~

この小学校には、93人の1年生がいます。その中で、ジランちゃんは、こころがやさしくてとてもあかるい女のこです。もうすぐ1年生は2年生になります。2年生になっても、93人のままでいたいです。だから、ジランちゃんを日本にいさせてください。よろしくおねがいします。
「みんなだいじだよ!」~わたしは、このがっこうのみんながだいだいだいすきです。だから、じらんちゃんをたすけたいです。わたしはそのために、ジランちゃんをまもっています。みんなにつたえたいとおもいます。~
ジランちゃんが、にほんでいつまでもパパやママといっしょにくらせるようにしてください。パパやママとはなればなれになるのは、とてもさびしいことです。じらんちゃんのねがいをかなえてください。

ジランちゃんをたすけてください。みんなともだち!
                
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ジランちゃんの小学校のお友達(1年生)が書いてくれた絵手紙「ほうむだいじんさま」。21日に入国管理局を通じて提出した本紙は、カラー。写真は、ベルトランさんが控えとしてとっておいたコピー。「読むと涙が出てきます。」とベルトランさん。ジランちゃんも、「これはね、~ちゃんが書いてくれたの!あと、これはね、・・・」と、とても嬉しそう。

2008年3月21日金曜日

署名と絵手紙の提出

本日13時30分、東京入国管理局3階・難民調査部門にて、ジランちゃん一家および濱野弁護士、阿蘇代表で、署名と絵手紙の提出をしました。署名は、本日提出分が約1万3千人分で、前回提出分が約7千人分、さらに支援会内でコピー等の提出準備処理中のものも合わせると、合計で約2万3千人ほどの署名が集まっているとのこと。阿蘇代表が担当の審査官に、この問題が人道的に解決されることを、これほど多くの国民が願っていること等を懸命に訴えました。ベルトランさんによると、職員は大変真剣に話を聴いてくれ、涙ぐむ様子すら見せたそうです。タスクンさんも、こちらの話をとても真面目に聴いてくれたし、笑顔もあり感じの良い対応であった、と言っています。また署名とは別に、ジランちゃんの小学校の子どもたちからの、法務大臣宛の絵手紙も30枚ほど手渡しました。ジランちゃのクラスメートや同学年の子どもたちは、素直な感性で、ジランちゃんの立場・気持ちを思い、/ジランちゃんをたすけてください/ジランちゃんのことがだいすき、まもっていてあげる/93人の1年生全員で93人の2年生になりたい、ジランちゃんは大切な一人/おとうさんとおかあさんとバラバラになるのは、とてもさびしいこと・・・等など、同じ目線から訴えかけるすばらしい絵手紙を書いてくれました。この子どもたちの、純粋にジランちゃんの幸せを願う気持ちが、春の日差しのように、大人たちの氷の心もとかしてくれますように・・・。

3月21日入管出頭に同行しよう!

ジランちゃん一家に対し、入国管理局から出頭命令が出されました。これに従い、本日3月21日13時30分、一家は東京入国管理局(品川駅よりバス)へ出頭します。支援者は、13時15分に現地集合し、一家を応援します。応援してくださる方、関心のある方、一人でも多くの方の同行をお願いいたします!

2008年3月20日木曜日

ジランちゃんの小学校のお友達・保護者への手紙

ジランちゃんのおともだちと保護者のみなさまへ

みなさんは、1年1組のジランちゃんのことを、知っていますか。大きな目と長いまつ毛がかわいい、明るい女の子ですよね。何よりも、学校でおともだちと勉強したり遊んだりするのが大好きで、「学校を1日もお休みしたくない!」と言うほど毎日楽しく学校へ通っています。

ジランちゃん一家のことは、新聞などの報道でご存知の方もいらっしゃるでしょう。ジランちゃんは、みなさんと同じく日本で生まれ育ちました。お父さんのタスクンさんの住んでいた所では、石油がたくさん採れて、私たち日本人は大変お世話になっています。けれども、今そこでは戦争が起きていて、たくさんの人々が殺したり殺されたりしています。ジランちゃんのお父さんは、平和の国日本に「助けてください。」とやってきたのです。ところが、日本の出入り口である入国管理局は、「だめだめ、日本には入れてあげないよ、自分の国へさっさと帰りなさい。」というのです。「自分の国では、殺し合いや暴力のために、安心して暮らせないのです。どうか日本にいさせてください。」と、何度もお願いしましたが、返事は変わりません。そして、「お父さんはトルコへ、お母さんとジランちゃんはフィリピンへ、バラバラに帰りなさい。」と命令したのです。

そこで、ジランちゃん一家と弁護士さんたちは、裁判所にお願いしました。昨年11月8日、裁判長は、「(ジランちゃん一家が日本にいられるための)いい方法を見つけられるように、弁護士さんと入国管理局とで、話し合いなさい。」と言ってくれました。12月9日、ジランちゃん一家と弁護士さんで、「ぜひ、いい方法を見つけられるよう、もう一度考えてみてください。」というお手紙を、入国管理局に渡しました。全国から、1万5千人もの署名(応援してくれている人たちの名前)が集まっていることも、伝えました。
ところが、今になってもまだ、入国管理局からの返事がないのです。入国管理局は、「私たちの上にいる、法務省が決めることです。」と言っています。

次の裁判は、4月10日です。それまでに、法務省が「ジランちゃんとお父さんお母さんは、一緒に日本にいていいですよ。」と言ってくれなかったら、ジランちゃんの家族はバラバラに日本から追い出されてしまうのです。みなさんと同じ日本の小学生のジランちゃんなのに。子どもには親が絶対に必要で、「お父さんやお母さんを子どもから引き離してはいけない。」という、国際的なきまり(子どもの権利条約)もあるのに。日本は、戦争の国から逃げてきた人たちを助け、その人たちを無理やり国へ送り返しません、と世界に約束(難民条約)しているのに。日本は、石油や食べ物や色々なことで外国に助けてもらっている国なのだから、私たちだって、外国から来た困っている人たちを、助けるのがあたりまえですよね。

~ジランちゃんのおともだちのみなさんへ~
今、ジランちゃんの小学校のおともだちだからこそ、できることがあります。ほうむしょうのだいひょうの”ほうむだいじん”に、みんなでおてがみを書くのです。むずかしいことはいりません。みんなのおともだち、ジランちゃんのことを考えて、「ジランちゃんといっしょにべんきょうしたい。あそびたい。」「ジランちゃんを、たすけてください。」などのメッセージや、「ジランちゃんとわたし・ぼく」などの絵を、色もつかって自由にかいてください。そして、あなたのお名前も。ジランちゃんのおともだちもおうえんしているよって、ほうむだいじんにつたえてください。お父さんお母さんからのメッセージも、書きこんでいただいてけっこうです。できあがりましたら、まとめて「ジランちゃんをおうえんするおともだちからの、おねがいのてがみ」として、ほうむだいじんにおわたしします。きっと、みなさんの小さなやさしさが、おともだちの大きなたすけとなるでしょう。どうか、ごきょうりょくよろしくおねがいいたします。

                    2008年2月 ジランちゃんと家族を支える会